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基本方針・薬剤科の主な業務

記事ID:0000383 更新日:2024年3月12日更新 印刷ページ表示

基本方針 薬剤科の主な業務

基本方針

薬剤師は、医療従事者として高い使命感と倫理観を備えた医療の担い手となり、その専門知識を活かしチーム医療の一員として患者さまに接します。

  1. 医薬品使用における重大な副作用や相互作用による患者さまの不利益を回避するよう努めます。
  2. 経済的管理を含めて、医薬品の管理・使用・取扱いに責任を持ち、事故防止に万全を期します。
  3. 日進月歩で進む医療の最新情報に接し知識と技術を向上させ、常に自己研鑽に励みます。

正確、迅速そして笑顔をモットーに患者さまのQOL(生活の質)の改善に貢献していきたいと思っています。

薬剤科の主な業務

調剤業務(投薬・注射)

薬剤業務の画像調剤業務

処方オーダリングシステムにより医師が発行した処方箋に基づき、内服薬・外用薬・注射薬の調剤を行っています。処方箋1枚につき調剤者、監査者の複数の薬剤師により処方内容や使用方法の確認を行っています。当院では、2012年1月より院外処方箋の発行を開始しています。現在は一部の患者さまを除き、原則院外処方となっています。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
(院外処方せんの期限は発行日を含めて4日間です。)

代表的な確認事項

  • おくすりの用法・用量
  • 注射薬の点滴速度・注射方法
  • 睡眠導入剤など投与日数に上限があるおくすりの処方日数
  • 診療科併診でのおくすりの重複や飲み合わせ
  • おくすりの安定性(粉砕できないおくすり等)や保管方法

調剤業務の流れ

1.処方内容監査

内服薬の飲み合わせや注射薬の点滴速度・注射方法・注射薬混合時の安定性など処方内容に疑問があれば、医師に確認の後、処方箋を発行します。

処方内容監査写真

2.処方箋に基づいた調剤

内服薬や注射薬を調剤するだけでなく、次のことも行っています。

  • 粉薬・水薬・塗り薬(軟膏)の調合
  • 一包化調剤(錠剤自動分包機)
    おくすりはそれぞれ服用時間や用法・用量が違います。たくさんのおくすりを服用したり、プラスチックの硬い包装(ヒート包装)でおくすりを取り出しにくい場合は、1回分ずつ錠剤自動分包機を用いて包装しています。
  • 一包化調剤・粉薬調剤
    一包化調剤や粉薬の調剤は時間がかかりますので少々待っていただくことがあります。また、おくすりによっては、一包化や粉末化に出来ないものもありますのでご了承ください。
  • 処方内容に疑問点があれば、医師に確認の上調剤しています。

調剤の様子4

3.調剤内容監査

調剤されたおくすりの組み合わせ、内容、種類、用法・用量に間違いがないか、粉薬や水薬に異物が入っていないかなどの確認を行います。使用上の注意点について患者さまだけでなく医師や看護師など医療スタッフにも情報提供を行っています。

調剤内容監査

4.薬剤情報提供

おくすりの効きめや使い方、副作用、保管方法などの説明を行っています。おくすりによっては袋の中にも説明用紙を入れてありますのでご確認ください。また、薬剤情報提供書の発行や、おくすり手帳に貼付できるシールも発行しています。お気軽に声をおかけください。
医療機関受診の際には必ず持参してください。
調剤の様子5

医薬品管理業務

地下医薬品保管庫では温度、湿度などをチェックしながら、医薬品の管理を行っています。また、病棟・外来など使用部署における保管状況の調査・指導をすることで医薬品の適切な保管と供給を行っています。医療用麻薬や向精神薬は「麻薬及び向精神薬取締法」に基づいて出納、保管、記録を行っています。
なお、麻薬は麻薬金庫で厳重に保管しています。

製剤業務(院内特殊製剤業務・注射剤混注業務)

院内特殊製剤(市販されていない特殊な医薬品の製剤化)

院内特殊製剤業務

治療で必要な消毒薬、うがい薬、軟膏、点眼薬などの特殊製剤を当院独自に調製しています。

院内特殊製剤は院内において安全性、有効性を十分審議した後、製剤室で調製されます。

注射剤混注業務

注射剤混注業務の画像

高カロリー輸液の調製

高カロリー輸液療法(TPN)とは、カロリー・栄養素・ビタミン類・電解質・微量元素などの栄養を点滴で補う療法です。高カロリー輸液は人だけでなく細菌にとっても栄養となるため、クリーンベンチ(無菌的な調製設備)内で一人一人の患者さまに合わせた輸液の調製を行っています。院内感染を予防する上でも重要な業務です。

抗悪性腫瘍薬の調製

入院・外来全ての患者さまの抗悪性腫瘍薬を調製しています。これらの薬剤は細胞毒性があったり、投与量・投与経路に細心の注意を払う必要があります。薬剤師により投与量・投与経路を確認した上で薬剤の安定性・配合変化等の専門的知識を駆使し、安全装置(バイオハザードタイプクリーンベンチ)内で調製しています。
当院は、地域がん診療連携拠点病院であり、抗悪性腫瘍薬の投与スケジュール・投与量・レジメン管理に薬剤師が関わるだけでなく、外来化学療法室や各病棟と連携することで医療の安全と質の向上に貢献できればと考えています。

薬剤管理指導業務(服薬指導・治療薬物モニタリング)

薬剤管理指導の写真

服薬指導

入院患者さまに対し、処方薬剤や常用薬などの服薬状況や薬物療法施行上の問題点を確認し、適切な薬物治療の手助けを行っています。また、患者さまのベッドサイドでカウンセリングを行うことで薬剤師の視点からの問題点、副作用、相互作用のチェック、薬効の評価を行っています。
内服薬を始め、インスリン注射や吸入薬などの使用方法、抗がん剤や医療用麻薬など様々なおくすりについての情報提供を行っています。お薬の使用目的、用法・用量、保管、予想される副作用とその対応や飲み忘れ時の対処法などを患者さまに理解していただくことで薬の最良の効果が得られるように努めています。

治療薬物モニタリング(TDM)

抗菌薬のなかでも抗MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)用剤であるバンコマイシン、テイコプラニン、アルベカシンは血液中の薬物濃度(血中濃度)の有効域、副作用発現域が分かっており、血中濃度を基にした投与設計が有効であると考えられています。
血中濃度からの解析結果を基に、有効かつ安全な投与方法(投与量・投与間隔・点滴速度など)について医師や看護師など医療スタッフへ情報提供しています。

外来化学療法への関わり

薬剤師外来

薬剤師が外来がん化学療法をされている患者さんに継続的に関わり、治療の有効性や安全性の向上を目標とした取り組みです。
​初回は、処方後に経口抗がん薬の飲み方や副作用、注意点について説明を行い、2回目以降は採血から医師の診察までの待ち時間を利用して、経口抗がん薬の服用状況や副作用の発現状況を確認し、副作用に対する薬などを検討します。

外来化学療法室での業務

当院の医師の指示に基づいて、薬剤師が面談を行い、治療の目的及び治療の進捗等を記載したレジメンシール(お薬手帳貼付用)を提供しています。
レジメンシールは大事な情報となりますので、他の保険医療機関又は保険薬局に提示するようにしてください。

チーム医療への参画

薬剤師として知識や技術を活かし、医師、看護師など医療スタッフと連携した次のチーム医療等への貢献に努めています。

  • 栄養支援(NST)チーム
  • 外来化学療法室
  • 院内感染対策チーム
  • 緩和ケアチーム
  • 糖尿病教室
  • 褥創対策委員会
  • 治験審査委員会
  • irAE対策チーム

薬剤師の認定等取得状況(2023年10月時点)

日本医療薬学会 がん専門薬剤師 1名
日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師 4名
日本病院薬剤師会 日病薬病院薬学認定薬剤師 9名
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師 3名
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師 3名
日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師 1名
高血圧・循環器病予防療養指導士 1名
日本循環器学会 心不全療養指導士 1名
日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士 1名
日本糖尿病療養指導士認定機構 糖尿病療養指導士 1名
日本臨床栄養代謝学会 NST専門療法士 3名
日本臨床救急医学会 救急認定薬剤師 1名
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師 1名

 

最終更新日:2024年3月12日


診療受付時間
8時30分から11時30分
患者さん及びご家族の皆さまへのお願い
※当院は原則予約制です。初診はかかりつけ医で予約を取り、紹介状をお持ちください。
外来診療日
月曜日から金曜日
祝日・年末年始を除く