薬の正しい飲み方と取り扱い方法
薬の効果は正しい使い方をしたときに一番よく発揮されます。
薬は少量の水か、ぬるま湯で飲むのが原則です。錠剤・カプセルはかまずにそのまま水とともに飲み込みましょう。お茶で飲んでも大抵の場合かまいませんが、錠剤などは濃い緑茶や牛乳などと一緒に服用すると吸収が悪くなりますし、造血剤などは効果がなくなる可能性がありますので避けましょう。
水なしで薬を飲むと、食道にくっついて薬が溶け出し、食道の粘膜を傷めることがありますのでくれぐれも注意してください。
その他にもいくつかのポイントがありますので、以下の点に注意しましょう。
服用量・服用回数・服用時間は、指示されたとおり守りましょう。
薬の作用がもっとも効果的に現れる飲み方は、薬によって異なります。
- 食前…食事をする約30分位、前のことです。
- 食直前…食事をするすぐ前のことです。
- 食後…食事をして約30分位、後のことです。
- 食直後…食事をしたすぐ後のことです。
- 食間…食事をして約2時間位、後のことです。
- 就寝前…寝る直前か、約30~60分前のことです。
- 頓服…痛み、発熱などの症状があったときのみ使用します。
飲み方に特別な指示があるときには、その指示に従いましょう。
- 自分の判断で薬を勝手に中止しないようにしましょう。
症状が軽くなってくると自分の判断で薬を中止しがちですが、医師に相談せずに服用を中止するのは避けましょう。
- 古い薬は飲まないようにしましょう。
同じ様な症状でも違う病気であることもあります。
- 薬のやりとりはしないようにしましょう。
薬はあなたの症状に対して、処方されたものです。症状が似ていても他人にあげるのはやめましょう。また、もらうこともやめましょう。
- 薬は指示通りに保管しましょう。
薬は直射日光、高温、湿気等に弱いものがあります。車の中、窓際、湿気の多いところを避け涼しい乾燥したところに保管しましょう。坐薬など、冷所保管の指示があるものは、冷蔵庫に保管しましょう。なお、子供の手の届かないところに保管しましょう。
点眼薬の正しい使い方
さし方の5つのポイント
- 手をよく洗い、清潔な状態で点眼しましょう。
- 下まぶたを軽く下に引き、1滴点眼します。2滴以上点眼する必要はありません。このとき容器の先が、まぶたやまつ毛に触れないように注意しましょう。
- 点眼後は、目を閉じ目頭を3分以上軽く押さえます。
- 2種類以上の目薬を続けてさす場合は、5分以上は間隔をあけましょう。
- 目からあふれた目薬は、清潔なティシュペーパーなどで拭き取りましょう。
コンタクトレンズを使用されている方へ
基本的には、点眼を必要とする期間は、コンタクトレンズの使用はさけて下さい。ただし、個々の症状、事情によりコンタクトレンズ装着の必要性があるときは、以下の事に、気を付けて下さい。
- コンタクトレンズには、HCL(ハードコンタクトレンズ)・RGPCL(酸素透過性ハードコンタクトレンズ)・SCL(ソフトコンタクトレンズ)・DSCL(ディスポーサブルコンタクトレンズ)があります。それぞれのタイプによって、また、点眼薬の種類によって使用法が違ってきます。
- コンタクトレンズを装着したままで点眼すると、HCLは、刺激性の強い点眼薬や懸濁性点眼薬以外ならどの点眼薬でも使用可能です。RGPCLは、人工涙液の使用は可能です。SCLは、大多数の点眼薬において、その成分が吸着され、濃縮されて目の組織に移行し、障害が発生することがあります。DSCLは、SCLと同様に、目への障害の発生の可能性があります。
- コンタクトレンズを外せる方は、一旦外して点眼(ほとんどの点眼薬で可能)をし、5分以上経過してレンズを装着するようにしてください。
お薬を飲み忘れた場合
飲み忘れに気付いたらすぐ飲むのが基本ですが、次に飲む時間が近い場合は、忘れた薬を飲まないで次から普通に飲んでください。この場合、絶対2回分を一緒に飲んではいけません。忘れた薬は飲んだつもりになって、次から正しく飲んでください。
お薬によっては飲む時間(時期)によって効き目が変わるものもありますので、飲み忘れた場合の対応をあらかじめ医師や薬剤師に確認しておくとよいでしょう。