本文
がんの放射線治療
福⼭市⺠病院におけるがんの放射線治療
2015年11⽉から最新の放射線治療装置(Varian社製True Beam STx)が稼働しました。放射線治療の際に放射線治療装置に装着されたCTにて体軸横断像を撮像してわずかな位置誤差を補正して放射線を照射することが可能となりました。頭部、体幹部の定位照射やImage Guided Radiotherapy(IGRT)などの先端治療を⾏うことができます。
画像診断装置であるCT(コンピューター断層撮影装置)や床下に設置したX線撮影装置で撮影した画像を⽤いて、放射線治療の際のわずかな位置の誤差を補正して正確に照射する治療法を、画像誘導放射線治療Image Guided Radiotherapy(IGRT)といいます。
当院の放射線照射装置にはCTが装着されています。また、放射線治療室の床下に2台のX線撮影装置が設置され、⾃動的に患者さんの位置補正をするExactracいうシステムが設定されています。放射線治療装置に組み込まれたCTとExactracにてほぼすべての患者さんに画像誘導放射線治療Image Guided Radiotherapy(IGRT)が可能となりました。
肺、肝臓、膵臓、リンパ節転移などに積極的にIGRTを施⾏しております。乳がんの術後照射においては被ばく量を少なくするために通常照射にて放射線治療を施⾏しています。
放射線治療開始までの⼿順
1 放射線治療診察
治療を受ける患者さんは、放射線治療科にて放射線治療科医師による診察と放射線治療の有⽤性や副作⽤の説明を聞いていただきます。
2 固定具作製
頭頚部や肺の定位照射などでは体を固定するための固定⽤具を作成します。
頭頚部用固定具です。
3 照射野設定用CT撮影
体に印をつけて放射線治療用CTにて病変部のCT画像を撮影します。
4 放射線治療計画立案
放射線治療担当医が治療計画専用のコンピュータにて撮影されたCT画像をもとに放射線の照射範囲や方向や線量を決定し放射線治療計画を立てます。
5 治療計画確認・検証
放射線治療機器へのデータ入力、確認作業をします。
6 放射線治療開始
治療開始日は治療装置を用いてX線写真を撮り、照射する位置にずれがないことを確認し、照射を開始します。
7 放射線治療内容の説明・同意書記載
治療開始日に放射線治療についての説明書・同意書にて再度、説明を受け、同意書に署名していただきます。
がん種別ごとの放射線治療
・肺がん
・脳腫瘍
・乳がん
・膵臓がん