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乳癌の術後照射
乳房温存療法(切除断端陰性、リンパ節転移なしの場合) 乳房温存療法(切除断端陽性、リンパ節転移なしの場合) 乳房温存療法(切除断端陰性、リンパ節転移ありの場合) 乳房切除術後
切除断端陰性、リンパ節転移なしの場合
(1) 残存乳房に50Gy照射
なぜ放射線治療をするのか?
- 腫瘍切除術のみでは30~40%の再発率
- 腫瘍を切除した後に残存乳房に放射線照射をすれば、再発率を3~7%にすることができる
放射線治療開始までの手順
(1) 照射する位置を決める(CT撮影)(体表面に基準となる印を付ける)
(2) 放射線治療計画立案
接線照射(対向2門照射)
(3) 放射線照射実施
照射線量
- 1日に1回で2グレイ(Gy)
- 照射時間は2-3分
- 週5回(月曜日から金曜日)
- 25回/5週
- 合計50グレイ
放射線治療の副作用は?
急性障害(治療期間中から終了直後)
全身症状
宿酔(倦怠感、食欲不振)
局所症状
放射線皮膚炎
- 皮膚が赤くなる
- 皮膚のほてり
- 乳房がヒリヒリ、チカチカする
- 皮膚に水ぶくれができる
(頭髪の脱毛は起きない)
晩期障害(照射終了3か月以降から数年まで)
- 皮膚の色素沈着
- 乳房の硬化・委縮
- 患側上肢のリンパ浮腫
- 放射線関連肺炎
切除断端陽性、リンパ節転移なしの場合
(2) 残存乳房に60Gy照射
なぜ放射線治療をするのか?
- 腫瘍切除術のみでは30~40%の再発率
- 腫瘍を切除した後に残存乳房に放射線照射をすれば、再発率を3~7%にすることができる
放射線治療開始までの手順
(1) 照射する位置を決める(CT撮影)(体表面に基準となる印を付ける)
(2) 放射線治療計画立案
(3) 放射線照射実施
照射線量
- 1日に1回で2グレイ(Gy)・照射時間は2-3分
- 週5回(月曜日から金曜日)・30回/6週
- 合計60グレイ(X線で50グレイ/25回、電子線で10グレイ/5回)
放射線治療の副作用は?
急性障害(治療期間中から終了直後)
全身症状
宿酔(倦怠感、食欲不振)
局所症状
放射線皮膚炎
- 皮膚が赤くなる
- 皮膚のほてり
- 乳房がヒリヒリ、チカチカする
- 皮膚に水ぶくれができる
(頭髪の脱毛は起きない)
晩期障害(照射終了3か月以降から数年まで)
- 皮膚の色素沈着
- 乳房の硬化・委縮
- 患側上肢のリンパ浮腫
- 放射線関連肺炎
切除断端陰性、リンパ節転移ありの場合
(3)残存乳房に50Gy、鎖骨上に50Gy照射
なぜ放射線治療をするのか?
- 腫瘍切除術のみでは30~40%の再発率
- 腫瘍を切除した後に残存乳房に放射線照射をすれば、再発率を3~7%にすることができる
放射線治療開始までの手順
(1)照射する位置を決める(CT撮影)(体表面に基準となる印を付ける)
(2)放射線治療計画立案
照射線量
- 1日に1回で2グレイ(Gy)
- 照射時間は2-3分
- 週5回(月曜日から金曜日)
- 25回/5週
- 合計50グレイ
放射線治療の副作用は?
急性障害(治療期間中から終了直後)
全身症状
宿酔(倦怠感、食欲不振)
局所症状
放射線皮膚炎
- 皮膚が赤くなる
- 皮膚のほてり
- 乳房がヒリヒリ、チカチカする
- 皮膚に水ぶくれができる
(頭髪の脱毛は起きない)
晩期障害(照射終了3か月以降から数年まで)
(1) 皮膚の色素沈着
(2) 乳房の硬化・委縮
(3) 患側上肢のリンパ浮腫
(4) 放射線関連肺炎
乳癌の術後照射
乳房切除術後
なぜ放射線治療をするのか?
- 腋窩リンパ節転移が1個以上あった場合には術後照射した方が再発率が減少する。
放射線治療開始までの手順
(1) 照射する位置を決める(CT撮影)(体表面に基準となる印を付ける)
(2) 治療計画立案
(3) 放射線照射実施
照射線量
- 1日に1回で2グレイ(Gy)
- 照射時間は4-5分
- 週5回(月曜日から金曜日)
- 25回/5週
- 合計50グレイ
放射線治療の副作用は?
急性障害(治療期間中から終了直後)
全身症状
宿酔(倦怠感、食欲不振)
局所症状
放射線皮膚炎
- 皮膚が赤くなる
- 皮膚のほてり
- 乳房がヒリヒリ、チカチカする
- 皮膚に水ぶくれができる
(頭髪の脱毛は起きない)
晩期障害(照射終了3か月以降から数年まで)
(5) 皮膚の色素沈着
(6) 乳房の硬化・委縮
(7) 患側上肢のリンパ浮腫
(8) 放射線関連肺炎