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私たちの働き方改革
2017年(平成29年),政府は,人口問題,生産年齢人口の減少などで国力が低下している日本経済を再生するためには,正規,非正規の不合理な処遇の差,長時間労働,単線型のキャリアパスなど日本の労働制度と働き方にある課題を解決する必要があると考えました。課題解決に向けて,『働き方改革実行計画』が働き方改革実現会議で策定され,当院においても,この計画に基づき,働き方改革をスタートしました。
当院では,2019年(令和元年)4月に36協定を改定し,2020年(令和2年)4月に医療勤務環境改善総合プランを策定しました。その後,医療勤務環境改善委員会を設け,医師のみならず全ての職種において安全で質の高い医療を提供するために,「働きやすい環境」「過重な負担のかからない環境」「ハラスメントのない環境」そして「就業意欲が保たれる環境」を作ることを目標とし,年度毎の勤務環境改善プランを策定し改善に努めています。
働き方改革の現況は以下の通りです。
1 診療部
◆医師働き方改革について(厚労省主催 『トップマネジメント研修』より資料を抜粋)
◆福山市民病院医師労働時間短縮計画の策定
福山市民病院医師労働時間短縮計画 [PDFファイル/473KB]
◆労働時間短縮に向けた取組
(1)タスク・シフト/シェア
- 医師事務作業補助者の活用
各グループの業務の内容調査を行い,グループ再編や業務を見直し,医師の業務量削減を図る。 - 診療情報管理士の活用
各診療科ごとに担当を置くなど段階的にその効果を検討しつつ行い,DPC入力,サマリー作成,レセプト点検,各科分析を行いクリニカルパスへの参画などを進める。 - 特定行為研修修了看護師の活用・増員
現在は特定行為研修修了看護師2名であるが,今後,計画的に増員し,タスクシフトを図る。
当院において特定行為研修が可能となる仕組みを構築する。 - 病棟薬剤師,管理栄養士の活用の推進
(2)医師の業務の見直し
- 複数主治医制の導入,若しくは主治医制廃止を進める。
- 夜間,週休日の当番制の推進
- クリニカルパスの改訂を推進し,業務標準化を図る。
- 週1日,必ず出勤しない日を作る。
(3)その他の勤務環境改善
- レセプト業務について
現状としてレセプト点検業務は医師にとって時間を要する業務であり,業務委託の観点からも職員の育成を図り,レセプトチェッカーなどのIT化による業務改善を進める。 - 入院支援,退院支援の充実
コンシェルジュ機能をもった入退院支援を進める。 - 総合診療科,糖尿病専門医などの確保,適正医師数の確保
(4)副業・兼業を行う医師の労働時間の管理
- 副業,兼業を行う医師の把握(届出制)
- 副業,兼業先医療機関の宿日直許可の確認
(5)C-1水準を適用する臨床研修医及び専攻医の研修の効率化
- 研修プログラムの見直しを行い,魅力ある臨床研修とし,人員の確保に努める
- 時間外勤務を考慮した労働時間の平準化を行う。
- 専攻医の業務削減(特に週休日,祝日)
- 初期臨床研修医の連続勤務時間15時間,勤務間インターバル9時間または,連続勤務時間24時間,勤務間インターバル24時間を考慮した勤務編成
◆宿日直許可取得に向けた取組
2022年5月 広島県医療勤務環境支援センターと協議(1回目)
2022年7月 広島県医療勤務環境支援センターと協議(2回目)
2022年8月 福山市労働基準監督署を訪問
2022年9月 宿日直帯における時間外勤務調査を開始
2 看護部
◆特定認定看護師の活用
チーム医療を推進し,看護師がその役割をさらに発揮するため,2014年6月に「特定行為に係る看護師の研修制度」が創設されました。
2015年3月には,制度の詳細が定められた省令及び施行通知が発出され,10月より研修制度が開始されました。
・特定行為とは
特定行為とは,「診療の補助」であり、実践的な理解力・思考力及び判断力、そして高度かつ専門的な知識・スキルが特に必要とされる38行為です。
手順書により特定行為を行う看護師に対し,「特定行為研修」の受講が義務付けられました。
対象となる患者や療養者の状態に合わせたタイムリーな対応と専門性を発揮することで、質の高い医療・看護を効率的に提供することを期待されています。
◆当院における取組
2021年5月 特定行為研修 受講開始(2名)
2022年3月 特定行為研修 修了(2名)
2022年4月 特定行為活動推進ワーキング開始
2022年8月 教育研修推進室会議で手順書を承認
2022年9月 特定行為 活動開始
3 医療技術部
◆宿日直許可取得に向けた取組
2022年10月 宿日直帯における時間外勤務時間数及び業務内容の調査を開始
4 経営企画部/医療支援センター
◆勤務環境の改善に向けた取組
・年次有給休暇 5日/年の完全取得
予定を計画し,職場で周知する中で完全取得に取り組む。
・時間外勤務の削減
所属長の管理の下,業務の平準化に取り組む。