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事業管理者・院長ごあいさつ
管理者のメッセージ
新しい年度が始まりました。今春、福山市民病院には91名の医師や看護師、薬剤師などのメディカルスタッフ、および事務スタッフが新しく入職しました。この中には初期臨床研修医12名をはじめ、多くの新卒の職員が含まれています。病院は「こころ豊かな医療人を育成する」ことを理念の一つに掲げ、教育研修に取り組んでいますが、今まさに院内各部署で研修も始まり病院は活気に溢れています。
福山市民病院は「救急医療」、「がん医療」、「高度専門医療」を診療の柱として診療を行ってきましたが、2024年4月から新しく女性泌尿器科医による外来を開設しました。女性専門外来とはしませんが、女性特有の泌尿器系疾患でお悩みの方はぜひかかりつけの医師と相談の上、受診していただければと思います。また、本年4月、岡山大学小児科で新生児診療に従事していた学会認定新生児専門医が当院へ着任したことから、これまで当院では扱っていなかった在胎34~36週の後期早産児を管理するpre-NICU(3床)を稼働させることといたしました。当院は2026年に周産期母子医療センターの開設を計画しており、それに向けたステップとして今後も周産期医療の充実を図ってまいります。「がん医療」では悪性腫瘍に対する低侵襲手術症例が増加しています。2015年から前立腺がんの手術で始まったダビンチ(手術支援ロボット)手術が、現在は腎がん、膀胱がん、胃がん、大腸がん、肝がん、膵がん、肺がんなど多岐にわたり実施されていることから、2023年8月に最新鋭のダビンチ手術システム(Da Vinci Xi)を2台導入しましたが、同年11月にはダビンチ手術件数が累計1,000例を超えました。今後も新しい領域へのチャレンジを続けてまいります。「救急医療」では2023年度は過去最多の4,350件の救急搬送を受け入れました。救急科専属医師10名を中心に本年も圏域の救急医療の要としての役割を担っていきます。
福山市民病院は2024年3月、「経営強化プラン」を策定いたしました。今後4年間の病院運営の基本方針となるものですが、プランに則った病院運営ができるように職員一同励んでまいりたいと考えています。また、2024年4月より「医師の働き方改革」がスタートしましたが、法を遵守し、職員の健康に配慮した職場づくりに励むとともに、圏域の医療提供体制の確保にも努めてまいります。
最後になりますが、2021年から福山市民病院は本館の建替え事業に臨んでいます。これまでは建て替えのための周辺工事が主でしたが、今年から本体工事に着手しています。診療環境、療養環境に近い場所での工事が始まり、特に患者の皆さまやご家族にはご迷惑をおかけすると思いますが、どうかご理解とご協力をお願いいたします。
2024年4月
福山市病院事業管理者 高倉 範尚(たかくら のりひさ)
院長のメッセージ
本年4月1日より、医師の働き方改革が始まりました。当院ではほとんどの医師が年間時間外制限が960時間のA水準ですが、一部の医師(外科・心臓血管外科)は年間時間外制限が1,860時間のB水準です。診療体制に大きな変化はありませんがB水準では勤務間インターバルの確保が義務化ですので、少し制限が出る可能性があります。このB水準は2035年に廃止予定であるため、今後も労働時間の短縮に向けた取組が必要です。医師のワークライフバランスを保ちながら引き続き当院の3本柱である「救急医療」、「がん診療」、「高度専門医療」の提供を堅持し、高度急性期機能を担う医療体制の充実や、がん・救急医療に対する一層の貢献、チーム医療による医療の質の向上など地域医療構想を踏まえた役割をはたしていきます。
そして本年は本館建て替えのプロジェクト工事が始まりました。騒音、外来の移設など、市民の皆さまや、連携医療機関の皆さまにご迷惑をおかけすることとなりますのでどうかご容赦ください。
最後に高倉病院事業管理者をはじめ病院全職員とともに福山市民病院が一層皆さまに愛され信頼される病院となるよう努力する所存ですので、引き続きご支援・ご指導をいただきますようお願い申し上げます。
2024年4月
福山市民病院長 室 雅彦(むろ まさひこ)