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前立腺がん(泌尿器科)
前立腺がんに対する私たちの取り組み
診断について
- 当科では仙骨硬膜外麻酔による16か所以上の経会陰式生検によって組織診断を行っています。日帰りが可能ですが、除痛が不十分であれば局所麻酔の追加だけでなく、サドルブロックによる一泊入院での検査も行っています。
- 転移部位の検索には、従来のシンチグラフィーと造影CTの検査だけでなく、PETCTやDWIBS法と呼ばれる全身拡散強調MRI検査を行って治療方針の決定に役立てています。
- 治療は手術、放射線、内分泌療法を主体に、患者さんと十分に話し合ったうえで治療方針を決定しています。
手術療法について
- 現在は全例にロボット支援手術を施行しています。症例によっては拡大リンパ節廓清を併用しています。早期尿失禁の成績も良好です。
放射線療法について
- 前立腺に限局したがんが原則は対象ですが、転移部位が三か所以内であれば積極的に前立腺にも照射治療を行っています。最新の強度変調放射線治療を希望される場合は実施可能施設を紹介します。また、骨などの転移部位に対しても治療を行っています。
内分泌療法について
- 男性ホルモン遮断療法を基本として行っており、手術治療や放射線治療と併用して行うこともあります。内分泌療法に不応になった段階では、抗がん剤治療を行っています。
監視療法について
- 高齢で悪性度が低く腫瘍体積が少ないがんに対しては、即時に治療を行うのではなく、腫瘍マーカーの経過を観察しながら必要となった時点で治療介入を行うという無治療経過観察という方法もあります。