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血液・一般検査部門
血液検査
- 血算(赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値、白血球数、血小板数、網赤血球数、赤血球指数、その他)
- 血液像、骨髄像
- 凝固検査(PT、APTT、フィブリノゲン、FDP、Dダイマー、ATIII、その他)
- 赤血球沈降速度
血液は体重の約1/13を占めており、液体成分(血漿)と細胞成分(血液細胞)から成り立っています。血液細胞は赤血球・白血球・血小板に分けられ、それぞれ酸素供給・生体防御・止血の機能を果たしています。
血液検査はこれらの血液細胞に量的および質的(機能)な異常がないかを調べています。その他血漿を調べる検査、骨髄を調べる検査なども行っています。
CBC(全血球計数)
赤血球数・白血球数・ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値・平均赤血球容積(MCV)・平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)・平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)・血小板数を検査します。
CBCを測定する機器
貧血かどうか、体内で炎症が起きていないかなどを知ることができます。
白血球分類
白血球を好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球の5つに分類します。
また、これらの細胞以外に異常な細胞が出ていないか顕微鏡で調べます。
白血病などの血液疾患かどうかを知ることができます。
顕微鏡による血液細胞チェック
正常な赤血球(均一)
貧血のある赤血球(低色素)
正常な白血球
(左:好中球 右:リンパ球)
異常な白血球
(白血病細胞=未熟な細胞)
凝固検査
出血をした際に、血液を止める機能や、血管内に血栓を作らせない機能が正常かどうか血漿中の凝固因子を検査します。
骨髄検査
骨髄は血液を作っている場所です。赤血球・白血球・血小板の未熟な細胞がここで造られるため、骨髄中の細胞を調べることは重要です。
血液疾患の可能性がある患者に対し、確定診断を行うために骨髄を採取し、血液を作る機能が正常か、異常な血球を作っていないかなどを検査します。
一般検査
一般検査は、主に尿・便の検査を行っています。尿や便は非侵襲的に検体採取でき、あらゆる疾患のスクリーニング検査として行われます。その他に、脳脊髄液・関節液・鼻汁好酸球・穿刺液などの検査も行っています。
院内で測定している一般検査項目
尿検査…蛋白、糖、ウロビリノーゲン、比重、pH、ケトン体、潜血、妊娠反応、尿中肺炎球菌抗原、尿中レジオネラ抗原、その他
便検査…潜血反応、虫卵検査、その他
穿刺液…胸水、腹水、脳脊髄液、関節液
尿検査
泌尿器・腎臓の疾患の診断や、あらゆる疾患のスクリーニング検査として用いられます。
尿定性検査:尿中に糖・蛋白・潜血・ウロビリノーゲン・ビリルビン・ケトン体などが出現しているかを検査します。
尿定性項目を測定する機械
尿定性項目を測定する試験紙
尿沈渣検査:尿中に赤血球・白血球・上皮細胞・細菌などがどれくらい出現しているか、また、癌細胞などの異常な細胞が出ていないかを検査しています。
尿沈渣を顕微鏡にてチェック
尿沈渣中に見られたがん細胞
膀胱からの出血時に見られる赤血球
腎臓が障害されている時に見られる赤血球
便検査
- 便潜血検査:便中に血液成分が混じっていないかを検査します。消化管からの出血の有無を判断するのに用いられます。
- 寄生虫卵検査:体内に寄生虫が寄生しているかどうかを検査します。
脳脊髄液検査
髄液中に含まれる細胞の分類・髄液糖・髄液蛋白などを検査します。
髄膜炎や脳炎、くも膜下出血などが疑われる場合に行う緊急性の高い検査です。
髄液中に見られる細胞(白血球)