本文
輸血検査部門
輸血検査
輸血は、赤血球や血小板、凝固因子の機能が低下あるいは不足したときに、それらを補充する目的で行います。当院の輸血検査部門では血液型検査、不規則性抗体検査、交差適合試験などの輸血関連検査と、赤血球製剤や新鮮凍結血漿、血小板製剤などの血液製剤の発注・管理業務を行い、患者さんに安全で適正な輸血療法を行えるよう尽力しています。
また、手術前に患者さんから採取した自己血の保管管理を行っています。
血液型検査
人の赤血球表面にはA抗原とB抗原があり、血清中には抗Aと抗Bが存在します。これらの組み合わせにより、大きくA,B,O,ABの4つの血液型に分類されます。Rh血液型は、ABO血液型に次いで重要な血液型で、Rh陰性の日本人は約0.5%です。
不規則性抗体検査
不規則抗体とは、ABO血液型の抗A、抗B抗体以外の血液型抗原に対する抗体で、妊娠や輸血などの既往のある人から検出されます。
安全な輸血のために、不規則性抗体の有無を事前に確認することは重要です。
交差適合試験
輸血される患者さんの輸血による副反応防止を目的として実施します。
日本赤十字社血液センターから供給された献血由来の血液製剤と、患者さんの血液を用いて交差適合試験を行い、適合となった血液製剤が患者さんに輸血されます。
自己血輸血
他人の血液を輸血すること(同種血輸血)は、一種の臓器移植です。近年、献血による輸血用血液製剤の安全性は、格段に向上してきていますが、輸血による感染症の危険性は完全に回避することはできません。そのため、同種血輸血に伴う副反応を回避する目的で自己血輸血が行われています。
自己血の輸血とは、手術が予定されている患者さんを対象に、術前に自分の血液をあらかじめ採血しておき、手術中または手術後に必要な血液を自分の血液で補う方法です。
自己血輸血には、貯血式、希釈式、回収式等いくつかの種類があり、当院では、患者さんの状態や手術内容に応じて実施しています。手術の数週間前から数回に分けて貯血した自己血は、輸血検査室にて保存・管理しています。