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緩和ケアを知っていますか
緩和ケア科理念
福山市民病院緩和ケア科の理念
- 人が生きることを尊重し、誰にも例外なく訪れる「死への過程」に敬意をはらう。
- 死を早めることも死を遅らせることもしない。
- 痛みやその他の不快な身体症状を緩和する。
- 精神的・社会的な援助を行い、患者さまに死が訪れるまで生きていることに意味を見出せるようなケア(霊的ケア)を行う。
- ご家族が困難を抱えて、それに対処しようとするとき、患者さまの療養中から死別したあとまでご家族を支える。
(日本ホスピス緩和ケア協会、1997年)
緩和ケア科とは?
緩和ケア科の概念
緩和ケア病棟(ホスピス)はどのような所ですか?
がんと診断されたあらゆる時期の悪性腫瘍の患者さまが対象となります。身体的苦痛だけでなく全ての苦痛が緩和された状態で、その人らしく有意義に過ごしていただくことを目標とする病棟です。そして、患者さまとご家族のQOL(quality of life:生活の質)を高めるために、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・臨床心理士・医療ソーシャルワーカー・ボランティアがチームとして関わり支援していきます。
緩和ケア病棟では何も治療しないのですか?
病気と闘うための治療はしませんが、病気と共存していくための治療は積極的に行います。すなわち、身体的苦痛(痛み、食欲不振、全身倦怠感、腹部不快、息苦しさ、不眠など)に対する治療を行い、精神的苦痛・社会的苦痛・スピリチュアペイン(存在の苦痛)にも対処して、全人的医療を提供します。必要時には、各科にコンサルトし、一般病棟に転棟して治療を受けていただく場合もあります。
退院はどうなりますか?
最後に入院する病棟と誤解されている方がおられるかもしれませんが、そうではなくて、症状コントロールができた後には在宅に向けて退院もできる病棟を目指しています。また、介護に疲れたご家族が休息する(レスパイトケア)目的の短期入院もあります。