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医療技術部 リハビリテーション科
疾患別リハビリテーション基準 認定資格・研修終了 スタッフ構成 理学療法 作業療法 言語聴覚療法 がんリハビリテーション 心臓リハビリテーション 広島県地域リハビリテーションサポートセンター 早期離床チーム活動
リハビリテーションとは、脳卒中・脳外傷などの脳血管障がいや骨折・切断・脊髄損傷などの整形外科疾患・慢性呼吸器疾患などに対して、残った機能を回復させ、残存機能を最大限に活用し、より自立した生活を送れるようにすることです。
当院は救命救急センターを併設しており、多発外傷(高エネルギー外傷)・脳血管障がい・脳外傷といった急性期リハビリテーションが特徴となっております。また、地域がん診療拠点病院として、がん患者さんへの術前、術後のリハビリテーションも行っております。
急性期リハビリとは発症又は手術後できるだけ早い段階で行われるリハビリテーションで、全身状態が安定しない状態が多いためリスク管理(医師・看護師との連携)を行いながら廃用症候群(筋力が弱くなる・関節が硬くなる・心肺機能低下・認知面の低下)の予防、早期離床、機能回復、基本動作の練習をします。早期のリハビリが回復期を左右すると言われております。
全身状態がほぼ安定し、積極的なリハビリテーションが実施できる状態になりますと、次の回復期病棟等のある病院へと移行して頂いております。
また、先進的な医療器具としてHAL医療用単関節タイプ、自立支援用下肢タイプProを導入し、質の高いリハビリテーションにとりくんでいます。
疾患別リハビリテーション基準
- 運動器リハビリテーション I
- 脳血管疾患リハビリテーション I
- 廃用症候群リハビリテーション I
- 呼吸器リハビリテーション I
- 心大血管リハビリテーション I
- がん患者リハビリテーション
認定資格・研修終了
- 心臓リハビリテーション指導士 8名
- 3学会合同呼吸療法認定士 14名
- がんのリハビリ研修修了者 24名
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 1名
- 認定理学療法士(循環) 1名
- 認定理学療法士(運動器) 1名
- 認定理学療法士(呼吸) 3名
- 認定理学療法士(脳血管) 1名
- 認定作業療法士 1名
- 医療リンパドレナージセラピスト 2名
スタッフ構成
- リハビリテーション専任医1名
- 理学療法士16名
- 作業療法士9名
- 言語聴覚士3名
- 看護師1名
- クラーク1名で治療にあたっております。
リハビリテーション科スタッフ一同
カンファレンスを実施し、医師、看護師、リハビリスタッフ間で情報交換なども行っています。
ロボットリハビリ
HAL医療用単関節タイプ
HAL自立支援用下肢タイプPro
理学療法
病気、怪我、安静などにより運動機能が低下した状態にある患者さんに対し、運動機能の維持・改善を目的に行います。具体的には動きにくくなった関節の可動域を拡げたり、低下した筋力の強化を行い、座る・立つ・歩くなどの基本的な日常生活動作のトレーニングを行います。運動機能の回復により、日常生活活動の改善を図り、最終的には生活の質を高めることを目標としています。
運動療法室
作業療法
作業療法では病気や怪我で身の回りの生活に不自由が生じた患者さんに手、腕の機能回復訓練やトイレ動作等の日常生活動作練習、福祉用具や生活環境のアドバイスなどを行っています。
また、当科では在宅酸素療法をされる患者さんに対しての、動作指導や主に整形外科疾の患者さんに対してスプリント作成も行っており、早期から安全な運動療法が行えるよう努めています。
作業療法室
伸筋腱断裂に対する手指伸展位保持スプリント
言語聴覚療法
言語聴覚療法は脳卒中などにより、言葉の理解が難しい・話しにくいといったコミュニケーションに問題のある患者さん、食べ物を飲み込みにくい・むせたりするなどの嚥下機能が低下した患者さんを対象にしたリハビリテーションです。コミュニケーションや飲み込みに必要な機能の改善を目指し、障がいに応じた訓練・援助を行います。特に嚥下機能低下については新しい器具も導入し、様々な検査や治療の提案を行っています。
言語聴覚療法室
咳テスト
感覚が低下し誤嚥(気管に異物が入る)してもムセない不顕性誤嚥を見つける検査です。
干渉電流型低周波治療器
咽頭部の感覚低下を改善する効果があります。
舌圧測定器
舌圧(舌の力)を測定します。
※舌の力が低下すると飲み込む力も低下します。
舌トレーニング用具
舌圧(舌の力)を鍛える道具です。
がんリハビリテーション
がんそのものによる障がいや、がんの治療に伴って生じる障がいに対して行っています。具体的には手術前の呼吸訓練と手術翌日からの運動による手術後合併症の予防やリンパ浮腫の予防指導、化学療法や放射線治療中の安静により低下した筋力や体力の回復を図るリハビリ等を行っています。緩和ケアチーム、緩和ケア病棟のカンファレンスに参加し、生活の質(QOL)をできるだけ高く維持するために患者さんとご家族の要望を尊重しながら行っています。
呼吸訓練
心臓リハビリテーション
当院では2014年5月より、施設認定(心大血管リハビリテーション料I)を取得し、心臓リハビリテーションを行っています。心臓リハビリテーションでは、心筋梗塞・狭心症・心不全・心臓手術後等の心疾患の患者さんを対象に身体機能の回復と生活の質(QOL)の向上、再発予防、合併症予防、社会復帰を目的として、安全かつ効果的な運動を実施しています。
また、作業療法士も介入し心臓に過負荷とならない日常生活動作や余暇活動の指導を行っています。近年心疾患に起因する脳血流の障害により認知機能の低下を招くといった見解もあり、認知機能評価を実施し、指導内容の理解は可能か?自宅でのサービス利用が必要かどうか?といった情報を多職種に提示していく取り組みも行っています。
心臓リハビリテーション室
広島県地域リハビリテーションサポートセンター
当院は広島県地域リハビリテーションサポートセンターに指定され、地域包括ケア会議にも参加しています。
また、地域の「通いの場」として転倒予防や腰痛に対する生活指導などを地域に出張し、ご指導させて頂いています。
「通いの場」での講演風景
早期離床チーム活動
当院の集中治療室や救命センターICUでは早期離床チーム活動を行っており、理学療法士もチームの一員として参加しています。これは、人工呼吸器や透析など生命維持装置装着状態でも医師や看護師と密にコミュニケーションを取り積極的に早期に座るや立つなどの「離床」を行っています。早期離床を行うことで人工呼吸器装着期間が短縮したり、合併症予防、さらには患者さんの日常生活の質が向上することに繋がります。