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「外来化学療法センター」は外来通院でのがん薬物療法(化学療法)を専門に実施する部門です。窓のある明るいスペースの中に診察室および無菌調剤室を併設し、トイレ2か所設置など治療中の環境にも配慮しています。現在のセンターは10年を経過して増加する件数に対応するため改修を行い、今年度は増床して26床(リクライニングチェア20台、ベッド6床)で運用開始しております。治療(がん薬物療法)と連続して診察、インフォームド・コンセント(説明と同意)、無菌調剤と薬剤指導、相談やカウンセリングなどが行える体制で、治療の実施だけでなく副作用の予防、対処、生活指導を含め、治療を受けながら生活される患者さんをチーム医療(医師、看護師、薬剤師ほか)としてサポートする
ことを目指しています。
当センターでは、がん薬物療法専門医・看護師(がん化学療法看護認定看護師)・薬剤師(がん薬物療法認定薬剤師等)を含めたスタッフにより各診療科の外来化学療法を実施しており、腫瘍内科外来診療も実施しています。
当院の外来化学療法は、2007年12月開始時は、1か月に150件程度の実施件数でしたが、毎年のように治療件数は増加し最近は月600件台の治療を実施しています。治療薬の併用などにより1回の治療の所要時間も長くなってきており、混雑時には予定を調整していただいたり、お待ちいただくことがあるかと思いますが、安全な治療を第一にしておりますのでご協力をよろしくお願いいたします。
化学療法の効果的な継続のためには支持療法や早期からの緩和ケアを活用することが重要と考えています。必要に応じて緩和ケア科、精神科・精神腫瘍科、臨床心理師、医療支援センター、がん相談支援センターなどにも協力を得て、患者さんを中心とした広い意味での「チーム医療」体制を目指しています。また、在宅時のサポート体制として、かかりつけ医を含めて地域の医療機関と外来化学療法中の患者さんの診療連携も行っています。
がんの薬物療法(化学療法、免疫チェックポイント阻害剤治療、ホルモン療法の一部など)
良性疾患における生物学的製剤の投与の一部(炎症性腸疾患、乾癬など)。