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肺がんに対する当科の取り組み(内科)
わが国では肺がんの患者数は胃がん、大腸がんに次ぐ第3位。臓器別の死亡数は第1位(男性:第1位、 女性:大腸がんに次ぐ第2位)です。
当科では肺がんの克服を目指して、最新の知見に基づいた診断と治療を展開しています。
肺がんの診断
画像でがんの進行度(ステージ)を診断
肺がんは他の臓器に転移することが少なくありません。
当科ではPET/CTやMRIなどの画像診断を駆使し、迅速かつ確実に進行度(ステージ)を診断します。
組織や細胞を採取して病理診断
肺がんにはいくつかの種類(組織型)があります。
気管支鏡やCTガイド下生検などの検査を行い、組織や細胞を採取して診断(病理診断)につなげます。
当科では超音波気管支鏡を使用し、より確実な組織や細胞の採取に努めています。
がんドライバー遺伝子検索
がん細胞を増殖させる遺伝子(がんドライバー遺伝子)が数多く見つかっています。
肺がんではその遺伝子がつくるタンパクを抑える薬剤(分子標的治療薬)が数多く開発されており、高い治療効果が認められています。
当科では診断時に得られた組織や細胞でがんドライバー遺伝子の有無・種類を検索し、適切な治療薬の選択につなげています。
肺がんの治療
肺がんの3大治療は『手術』、『薬物治療』、『放射線治療』です。
当院では手術を行う『呼吸器外科』、薬物治療を行う『内科』、放射線治療を行う『放射線治療科』の3科が連携して治療法を検討しています。
肺がんの薬物療法
肺がんに対して使用する薬剤は大きく分けて「殺細胞性抗がん剤」「分子標的治療薬」「免疫チェックポイント阻害薬」の三種類があります。
- 殺細胞性抗がん剤:がん細胞の細胞増殖過程に働いて、がん細胞の増殖を防ぎ、がん細胞の死滅を促す目的で作られた薬剤です。
- 分子標的治療薬:がんドライバー遺伝子により産生されたタンパク質を標的としてその働きを抑え、またがん周囲の環境を整える因子を標的にしてがん細胞が増殖しないようにする薬剤です。
- 免疫チェックポイント治療薬:本来は体のがん細胞を攻撃すべきリンパ球などの免疫細胞が、がんを患うとうまく働かないしくみが明らかになりました。この免疫細胞の機能を再活性化してがん細胞を攻撃するように仕向ける薬剤です。
肺がんにおいてはこれらの薬剤を適切に選択・併用することで、高く長い治療効果が得られるようになりました。
当院では日本肺癌学会肺癌診療ガイドラインや最新の知見に基づいた薬物療法を展開しています。