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管理者室より 2024年度

記事ID:0004893 更新日:2024年5月1日更新 印刷ページ表示

 

 

No214 同窓会あれこれ

2023年5月、新型コロナが5類に移行しました。当初は感染拡大の不安もあったと思いますが、1年が経過した今、世の中は殆どコロナ以前に戻っています。

多くの会議、学会などがコロナを契機に対面からオンラインに切り替わりました。自治体病院関連の会議も東京まで出向くことなくオンラインとなり、県の会議も現地ではなく自分の部屋から参加でき便利になりました。旅費もいらないので助かります。しかし会議はともかく、対面でなければならない(と思う)集まりがいろいろあります。その一つ、「歓迎会」や「同窓会」などが復活しています。これには参加費などの経費はかかりますが、対面でしか味わえない楽しさがあります。

今年の2月、京都市で高校の「京都支部同窓会」が開かれました。私は京都市に住んでいるわけではありませんが、中国地方では高校の同窓会は開かれていないので、時に参加をしています。出席する人はだいたい決まっていて、初めて耳にする話は少ないのですが、会うたびに昔話に花を咲かせています。今年の会は昨年末に亡くなられた恩師を偲ぶ会ともなりましたが、あれこれ話が尽きず、遅い時間の新幹線になりました。

つい先日、学生の頃の下宿屋「マロニエ」(当時は朝食、夕食付きで月8,000円)の同窓会がありました、この下宿屋のことは「管理者室より」のNo3に書いていますので、興味があれば読んでみてください。先日の同窓会は13年ぶりの開催で、遠くは鹿児島、静岡、名古屋などから20人が集まりました。私と同時期に下宿していた人も5人ほど参加していて、さすがに彼らのことは判りましたが、ふさふさしていた頭髪が見当たらなくなっていたり、胃の手術、その後の薬物治療で痩せてしまっていたりで、判りづらくはなっていました。私自身はあまり変わっていないと思っていますが、それでも「声を聞いて分かりました」と言った後輩もいました。この同窓会は定期的に開かれているものではなく、誰かが声をあげない限り開かれませんが、おそらく、今回が最後になると思っています。教養の頃は英語の教官から「高倉くんは死んだのですか?」と心配されるほど講義にも出ず、専門課程が始まってからも、下宿から医学部までの途中の駅前のパチンコ屋に寄り道をして結局講義に出なかったりしていて、よくぞ留年せずに卒業できた、程度の学生でしたが、この「マロニエ」の6年間で、今では目にすることが難しい、とても学生とは思えない多種多彩多能な先輩たちと交わることができて人間的な成長はできたはず、と思っています。

5月中頃には、コロナで1年延びていた「医学部卒後50周年の同窓会」があります。40人程度の出席と聞いていますが、ここでもきっと昔話に話が咲くと思います。この同窓会も次第に参加者が減ってきて、やがて最後の会の日がくるでしょうが、そこまで元気でいられたら、と思っています。でも、真面目な学生生活を送った、とは言い難い身としては、さすがに厚かましいでしょうね。

福山市病院事業管理者 高倉範尚

No213 初期臨床研修医へのエール

この国の初期臨床研修制度は2004年(平成16年)から必修化されました。それまでの医学生は卒業と同時に自分が進みたい診療科を選択し、多くの人が大学の医局に入局し、一定期間の臨床修練の後(私の所属した医局では4か月)、関連病院に派遣されていくのが常でした。私は消化器外科医になりたいと思い外科学教室に入局したので、他の診療科の組織的な研修を全く受けたことがありません。私が外科研修を行っていた頃は麻酔科医はまだ少なく、大学などの大病院を除けば、外科医が手術の全身麻酔を担当していました。ただ、この麻酔も先輩外科医から麻酔の技術を教わる程度で、今から思えばずいぶん怖いことをやっていた、と思っています。

国は従来の研修制度では幅広く患者さんを診ることが出来る医師の養成が難しいこと、などから2年間の新しい研修制度を発足させ、このなかで、内科や外科、救急、小児科、産婦人科、精神科、地域医療の研修を必修化しました。当時、医師の臨床研修の必修化に当たっては、「医師としての人格を涵養し、プライマリ・ケアの基本的な診療能力を修得するとともに、アルバイトをすることなく研修に専念できる環境を整備すること」を基本的な考え方として制度が構築されました。この研修制度が発足した当時は、少なくとも2年の間は各大学医局に入局してくる医師がいなくなり、大学病院の医師不足が深刻となったため、関連病院に派遣していた医師を大学に引き上げたりしたので、地域の病院から医師がいなくなり、地域医療に混乱も生じました。当院もこの時、産婦人科医が引き上げ、以後4年数か月の間、産婦人科の入院診療が出来なくなりました。この初期臨床研修制度は必修科目に変遷はありましたが、現在も続いており、何よりもこの制度が始まって以降、研修医は研修先として大学病院ではなく、市中の臨床研修病院を選択するようになり、以前に比べて大学医局に入局する医師が減り、大学の地域の病院に対する医師派遣機能が弱まってきたと思われ、それはそれで深刻な問題だと考えています。

福山市民病院の初期臨床研修医は制度の発足した2004年はわずか2名でしたが、その後は研修医の数も増え、2024年3月に当院で研修を修了した研修医は14名(もともとの当院採用の研修医11名、大学からのたすき掛け研修医など3名)で、3月初めの研修医症例発表会では、それぞれが渾身の素晴らしい症例発表をしてくれました。彼らの研修成果は当院の研修医が毎年受けている基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)でも証明されています。当院の研修医は1年次に比べ2年次の成績が格段に上がっており、それぞれの努力に加え、当院の研修環境もその一因ではないかと感じています。

14名の初期研修医のうちの5名は4月からも当院で専攻医として勤務・研修を続けますが、他の施設で研修を開始する人も含めて、彼らが患者さんから信頼される医師となり、それぞれの場所で活躍してくれることを心から願っています。

福山市病院事業管理者 高倉範尚


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